年齢を重ねても、よく食べ、よく動き、よく聞き話す人は若々しく見えます。ところが、

定年後は外に出るのが億劫……。

最近、なんだか疲れやすくなった。
もしあなたやあなたの周りの大切な人にそんなサインが現れていたら、それは「老化」の入口かもしれません。
今回は、いつまでも自分らしく輝き続けるために知っておきたい「フレイル」の知識と、今日からできる「声を磨く」知識についてお伝えします。
フレイルとは?
これは英語の「Frailty(虚弱)」をもとにした造語で、健康な状態と介護が必要な状態の「中間状態」を指します。
フレイルは、単に「年をとって体が弱くなる」ことではありません。筋力の低下(身体的フレイル)、認知機能や精神面の落ち込み(精神・心理的フレイル)、そして社会とのつながりが薄くなる(社会的フレイル)といった、複数の要素が絡み合って起こる活力の低下です。
あなたのフレイルチェック
まず、自分自身の状態をセルフチェックしてみましょう。東京大学高齢社会総合研究機構の飯島勝矢氏著『フレイル予防ハンドブック』から参考に挙げます。
以下の11項目について、「はい」か「いいえ」で答えてみてください。
▲上記表をクリックすると『健康長寿ネット』のページに跳びます。
1. 3. 4. 5. 6. 8. 9. 11.の「いいえ」
2. 7. 10 の「はい」を含めて 5つ以上○がある場合は要注意
特に着目したいのは1. 2. 8.の口腔機能に関する項目です。「口が渇く、噛みにくい、むせることがある 」これらは声の健康とも直結しています。つまり、声の変化は筋力低下や栄養状態の悪化と密接に関連しているのです。
食事、運動、喉と声を整える
フレイル予防には、食事・運動・社会参加の3本柱が重要ですが、ここでは特に「喉と声を整える」ことに焦点を当てて見ていきましょう。
食事
まずは食事です。バランスの取れた食事で筋肉や脳の栄養を補いましょう。特にタンパク質やビタミンD、カルシウムは筋力維持に大切です。食欲が減退しがちな高齢期こそ、新鮮な野菜や魚を使った食事を意識して増やすことがカギとなります。
運動
続いて運動。筋肉を維持し体力低下を防ぐために、無理のない範囲でウォーキングやストレッチを日課にしましょう。屋外に出て日光を浴びる習慣も心身の活性化には効果的です。
喉と声を整える
さて、意外かもしれませんが声を磨くことはフレイル予防の重要なポイントです。何故なら、声の出し方が弱まると誤嚥や呼吸機能の低下につながりやすくなるからです。
ここで、「栄養(食事)」「身体活動(運動)」「社会参加(喉と声を整える)」から喉と声を整えることへの関連付けをしてゆきます。
1. 「食べる力」を支える喉のトレーニング
まず食事です。栄養を摂るためには、しっかり噛んで飲み込む力が必要です。なぜなら喉の筋力が衰えると、誤嚥のリスクが高まるだけでなく、食事そのものが苦痛になってしまうからです。 そうならないためにも喉周りの筋肉を鍛えましょう。大きな声で歌ったり、音読をしたりすることで、立派なトレーニングになります。
2. 「動く力」と呼吸の深い関係
さらに運動をする際、私たちは無意識に呼吸を整えています。そしてそ深い呼吸ができていると、しっかりとした発声をしているのです。体幹と呼吸、そして声は連動しています。いずれにせよ「声を出す習慣」がある人は、姿勢が良くなり歩行もしっかりする傾向があります。
3. 「つながる力」の源は、磨かれた声にある
また、飯島教授の研究でも、フレイルの入り口は「社会参加の欠如」であることが多いと指摘されています。 「声がかすれる」「話しにくい」と感じると、人は他人との会話を避け、引きこもりがちになります。一方、張りのある明るい声を手に入れれば、人とのやりとりが楽しくなり、外に出る意欲が湧いてきます。 つまり人生経験に積み上げられたあなたの声が、社会貢献となるのです。
まとめ
フレイルは早めに対策を講じることで十分に予防可能です。食事で体を内側から支え、運動で筋力を維持し、声のケアを通じて呼吸機能とコミュニケーション力を高めることが大切です。
要するに日常生活の中で意識的に声を出し、活き活きとした毎日を送ることがフレイル防止の近道です。特に声を磨くことは見逃されがちですが、体だけでなく心の健康にも良い影響を与え、社会的なつながりを保つための強力な武器となります。
自分の体と声に耳を傾け、元気で笑顔あふれる未来をめざしましょう。そのお供に「ボイストレーニング」をどうぞ。


