プロレベルだから中上級?初めてだから初級?

譜面を前に歌っているイメージトレーニング ボイトレジム

僕はプロとして活動しているので、中級クラスのレッスンをお願いします。

歌は全くの初心者なので、初級コースの内容から始めたいなぁ。

実際、音楽スクールやボイストレーニング教室では「初級」「中級」「上級」「アドバンス」といったコース分けがなされているところも多く見受けられます。
ですが、果たして「プロレベルだから中級!初心者だから初級!」というレベルの基準でレッスンが組まれてもよいのでしょうか?

実はボイストレーニングの本質は、必ずしも一律のレベルでは測れない。今回はそのことをお伝えしましょう。

ボイストレーニング レッスンのレベル

人前で歌っているイメージをしながら歌い練習に励む

ボイストレーニングを習う多くの方が、ご自身の経験や現在のレベルに応じて、レッスンにも「初級」「中級」「上級」といった段階があるとお考えのようです。しかし、ワンバイブスではこうは考えていません。

ボイストレーニングに、画一的なレベル分けは関係ない

なぜなら、声の状態や課題、そして目指すゴールは、十人十色、いや百人百様だからです。もしボイストレーニングに「教科書」があり、1ページ目から順番に進めていくようなものだとしたら、「初級」「中級」といったレベル分けは有効かもしれません。しかし、私たちの身体はそんなに単純ではありません。声は呼吸、筋肉、骨格、そしてメンタルといった、非常に多くの要素が複雑に絡み合って生み出される極めてパーソナルな「楽器」だからです。

ワンバイブス かつては「アドバンス・コース」がありました

どんどん進む

「ワンバイブス」では以前、あざみ野生田教室「アドバンス・コース」という名称のクラスを設けていました。このコースは、一般的な感覚では「上級者向け」と捉えられるかもしれません。

しかし、実際にレッスンを進めていくなかで、この「アドバンス」という言葉の意味を問い直すことになったのです。この問いが現在のパフォーマンス活声課かっせいか®を立ち上げるきっかけとなったことは言うまでもありません

大切なのは、

「あなたはどのレベルか?(スクールや教室のコースに当てはめての)」ということではなく、「あなたの声の可能性を最大限に引き出すには何が必要か」を見極めることです。

それは、プロであっても初心者であっても同じことなのです。プロのシンガーであっても、長年の歌唱スタイルによって基礎的な発声に癖がつき、見直しが必要なケースは少なくありません。逆に、歌うことが初めての方でも、素晴らしい身体感覚をお持ちで、最初から高度なテクニックの練習に進める方もいらっしゃいます。

つまり

男性トレーナー
担当トレーナー

あなたが今、どのような声の状態にあり、体験レッスンで診断の結果、どこを目指しているのか?

という点なのです。その現在地と目的地を正確に把握し、あなただけの最適なルートを設計する。これがボイストレーナーの重要な役割なのです。

もちろん、トレーニング初期でトレーナーから止められていた課題曲があった。それを月日が経って上達出来ているかを確かめたい場合、歌ってみても全く構わないのです。

高音域が出ないんです

例えば、同じ「高音が出ない」という悩み一つをとっても、その原因は人によって全く異なります。

Aさん: 息の量が足りず、声帯に十分なエネルギーを送れていない。

Bさん:地声と裏声を切り替える筋肉の連携がうまく取れていない。

Cさん: 喉や首周りの筋肉が過剰に緊張し、声帯の自由な振動を妨げている。

Dさん: 心理的なブロックから、「高い声は出ないものだ」と思い込んでいる。

原因が違えば、処方箋も全く変わってきます。

ワンバイブスが考えるレッスンの「レベル」とは、生徒さんの現在の状態と目標に合わせたカスタマイズされたものであるべきです。加えて教える順番は生徒さん次第で決まるのです。

まとめ ボイトレ旅の途上

ボイストレーニングの旅は、決して一直線ではありません。時に立ち止まり、時に迂回し、時に大きくジャンプすることもあります。

なので「プロだから」「初心者だから」といった肩書は、一旦脇に置いてみてください。あなたの声が持つ無限の可能性にフォーカスしましょう。私たちと一緒に、あなただけの「前進」を見つけ、声の変化を楽しんでみませんか。あなたの個声こせい®を確立させるために、その道中を一緒に歩んでいきたいと、心から願っています。


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