先日、生田のドーンスタジオでレコーディングを行いました。
音楽仲間でもあり、生徒さんでもあるタカ タカシさん。彼の率いるバンド、フラスコドールのコーラス入れでした。
CDは10月に発売の予定です。
コーラスのレコーディングはどういった事に気をつけたらよいのか?お届けしましょう。
このコラム記事が、レコーディングを行なう度に時間とお金ばかりかかってしまうミュージシャンの人たちへ参考となってもらえればいいなと感じています。
受注のお仕事としてのレコーディングスキル♪
たぶん、コーラスをやっていたり、企業のサウンドロゴのお仕事をやっている方にとっては、十分に体感していることでしょう。
まず知っておくこと。それは、
受注のお仕事としてのレコーディングスキルは、自分がメインで行うレコーディングスキルとは違う。
ということです。
自分がディレクター兼任ならば、時間とお金があれば、いくらでもよい作品、商品を作ることが出来るでしょう。
しかし人にディレクションしてもらう場合は、勝手が違ってきます。
次に、コーラスの種類を確認しましょう。
【ウーアー系】
コーラスの中で白玉( 全音符のこと、2分音符を呼ぶことも) を中心として「ウ」「ア」段の母音を中心に音をのばす。
何故か「イ」「エ」段の音でやる事はあまりないため「イーエー系」とは言わないw【ベルトーン】
3 つ以上の鐘を1 つずつ鳴らした音に似ているのでこのように呼ぶ。
コードの構成音を時間差でハモるやり方。【字ハモ】
メインボーカルと一緒に歌詞をハモるやり方。音が合う+αのスキルが必要となる。メインボーカルの特徴を判断してニュアンスの歩み寄りをしなければならない。自分でハモる場合も練習が必要になる。
今回は、字ハモを行ないました。
作り込んでいくニュアンスの歩み寄りと引出しから出す部分
字ハモをする場合のツボをお伝えしますね。
譜面のチェック、歌詞の確認、音源を聴きながらの練習は当然のことです。
特に字ハモの場合、ピッチが合っているだけでは片手落ちです。もちろん、曲のジャンルは把握しておかないとなりませんね。
続けて、メインボーカルの傾向を察してどの程度ニュアンスを歩み寄らせていくか?を吟味していきます。
どのようには、ふわぁっ・・・と入っていくのかどうか?アタックは強めかソフトか?といったフレーズの入り方の部分。
メロディの中のアクセントをどうするか?フォールダウンを入れるか?ストレートに音譜を移動するか?スタッカートにするか?といったフレーズの中間部分。
音を伸ばすか、置くか、切るか?といったフレーズ出口の部分。
こんなところに注意を払って練習しましょう。
あなたの中にフレージングのストックがあると、ポン!と出てきます。音源を聴いただけでこれを出してみよう!と思い浮かべることができるのです。
思い浮かんで、形となって音声に出せた時、ディレクターからOKがもらえた時、
今ある引出しは自分のフレーズ館(やかた)の集大成!
そう感じられるようになりました。
どの程度ニュアンスを歩み寄らせるか
この部分は、その人の感性と勘によるところが大きい。僕はそのように感じています。
まず、あなた自身が作りこんでいくタイプなのか?そうでないのかを見極めてください。
あまり作りこみ過ぎると、レコーディングエンジニアやディレクターから変更の指示をされたとき、対応できなくなってしまう場合があるからです。
これでは、仕事が進みません。
70~80%の割合で仕上げていく。後は現場の指示次第。相当繊細な作業になります。
僕はここまでなるのに、かなりの年月をかけました。
感性も大事
感性は経験に裏打ちされたもの。そう信じています。
経験(アウトプット)にはある程度の時間がかかります。
失敗してもよいので、とりあえずやってみることが大事です。
以前、生徒さんのレコーディングの記事を書きましたが、各テイクによって変えてみる事を今度は自分が試してみたのです。
- 1テイク目は無難に→
- 2テイク目は出された指示に対してやり過ぎた感で→
- 3テイク目は落としどころを見つける
勘も大事
勘と感性は切っても切り離せないものです。
ミュージシャンによっては、特に楽器プレイヤーの中に多いんですが、身体に覚えこませるとか叩き込ませる!といった言い方をする人がいます。
どこまで作りこんでいくかにもよりますが、歌いながら修正をかけていくこともしばしばありますし、その時に勘どころ・・・といいますか、ピッチでもニュアンスでも
コレだっ!
っていう勘が働くことがあります。別な言い方をすれば瞬発力。音程をとる、リズムをとる、ニュアンスを添わせていく瞬発力のことです。
想像力、感性、創造力。それに勘、継続力。極めるにはまだまだ、そう感じています。