あなたの耳のボリュームは適性ですか?

c_apdボイトレジム

人の耳は、結構頑丈で、それでいて繊細に出来ています。これは矛盾ではありません。ボイストレーニングを習っているいないに関わらず、声のことと同時に耳のことにも注意を向けて頂きたいと願っています。

耳のことについての記事は、いくつかとりあげていますが、今回は、あまり知られていない耳の障害のことを皆さんとシェアしていきましょう。

耳の障害、つまり聞こえ方の障害(聴覚障害)には、

伝音難聴(CHL)
感音難聴(SNHL)
混合性難聴(MCSHL)
聴覚情報処理障害(APD)

の4つがありますが、ここではひとつに絞ってお伝えしましょう。

なお、この記事の元になっている情報は、某テレビ局の朝のニュースを参考に書き起こした内容です。

聴覚情報処理障害について

都心や市の繁華街に出てみると、行き交う人の声や車の音、大音量の音楽などは耳に入ってきても「聞こえている」というレベルです。もっとも、聴こうとして意識を向けて聴くのならば、意識を向けた音だけが耳に入ります。

脳の働きによって意識を向けた音は、大きく認知し、そうでない音は小さい・・・。

ところが、これらの音が全て同じ音量で一気に「ドバァ~!」と聞こえてきた場合、どうなるのでしょう?ちょっと想像してみてください。

この症状は、聴覚情報処理障害といわれる症状で、周りからは病気と気づかれにくい厄介なものなのです。

聴覚情報障害の方
大きな騒音の波が押し寄せているようで、耐えられないんです。

この方は、高校生の頃、飲食店でアルバイトを始めた時に気づいたそうです。お客さんからの注文の声が、他のお客さんの会話や流れるBGMと区別できず、全く聞きとれなかったということです。

人によっては、街中を歩いていてもヘッドフォンやイヤホンで耳をふさいでいないと歩けません。混乱します。そして頭を抱えて逃げ出したくなってしまうらしいんです。

聞こえすぎるのも大問題です!

聴覚情報処理障害は、主に言語聴覚士が担っている分野です。皆さん知っておいた方が良い情報なのでシェアいたしました。

【聴覚情報処理障害(Auditory Processing Disorder)】

英語の頭文字をとって略してAPD。またはCentral Auditory Processing Disorder(CAPDとも呼ばれている。

聴力は充分にあって音は聞こえているものの、脳に機能障害があるために、特定の条件での聞こえにくさを感じたり、聞こえた音の解釈に問題が生じる状態。いろんな音が同時に聞こえる雑踏のような場所では音を聴き分ける事が出来ない症状。何らかの中枢神経システムの障害が関与しているといわれている。

【引用】ウィキペディア(Wikipedia)/レデックス株式会社サイト

ここでちょっとしたチェックです。

怖いなあ・・・と感じたあなたはここでページを閉じてしまっても構いません。でもね、音楽をやっているあなた、アナウンサーやナレーター、イベントコンパニオン、営業職、講師や先生と呼ばれる方々には、是非チェックして頂きたい項目です。

✔ 相手の話を聞き間違えたりする
✔ 大切なことを聞き逃したりして、指摘される
✔ 雑音の中ではよく聞き取れない
✔ 字幕がないとTVの台詞が聴き取れない

✔ 聞き間違えが多くなる
✔ 誰が誰に対して話しているのか分かっていない

✔ 繁華街に行くと、音量が急に大きくなって耳に入ってくる
✔ ついさっき、話していた内容をコロッと忘れてしまう

聞こえている、でも聞きとれない!?

聞こえている、でも聞きとれないのはストレスです。耳鼻科に行って診てもらっても聴力は正常です。にもかかわらず聞きとれないので、とても厄介です。

通常の耳の状態なら、カクテルパーティー効果が起こっているのに、それが起きていない状態なのです。

私たちの耳は、入ってきた音をすべて平等に扱っているのではありません。その時に必要ない音を無視したり、未完全な音をスキーマ(既有知識)などで補って聴いています。

このように人の耳は、カクテルパーティー効果によって、あなたが必要とする情報を聴き取ることができるのです。

▼カクテルパーティー効果について

発声と耳の感度のおハナシ
声を磨くことで、よい影響を与えるといったことは、実際にボイストレーニングを続けていれば、歌うことや発語発話することに関わらず体験できることですよね。 これは皆さん頷けると思います。 さて、 耳を鍛えても良い影響を与えるんです! と言ったらどうでしょう? 今回も聴覚、耳の...

よく、カラオケの演奏やバックバンドの楽器の奏でている音は、全部聴き取らなければならない!と思い込んでいる方がいるようです。しかし、正常な耳は脳の働きによってカクテルパーティー効果が備わっているので、全部聴き取らなくてもよいのです。聴きたい楽器の音を聴いたり、聴きたい音のする方へ神経を傾けたりできるわけです。

しかし、聴覚情報処理障害の方はそれができないのです。

ナント!日本では障害と認められていない!

本人が気づいた時点で、仕事や私生活に支障がでてしまうことなので、この不安を何とかしたいのです。

さまざまな検査をしてみても詳しい原因は分かっていないのが現状です。脳の中枢神経システムの障害、といってもいろいろと考えられるため、コレといった原因は特定できないでいます。

さらに信じられないこと。日本では聴覚情報処理障害は「障害」と認められていないのです!診察に対応することや、この症状に対応できる病院も少ないといわれています。

それでも、まず耳鼻科を思い浮かべる人が多いかもしれませんね。実は、耳鼻科で一般的に行われる、聴覚検査とは、機能性難聴かどうかを調べるためのものです。聴覚情報処理障害かどうかは別の検査でないと判断できません。

音声言語のお医者さんや言語聴覚士と組んでいるかどうかを訊ねてみましょう。

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言語聴覚士
先ずは、多くの人に知ってもらうこと。そして症状に苦しむ患者さんを救う方法を模索していきたいです。

その人が聴き取り難いと言うこと自体勇気ある行為だと考えます。その時に、言ってはいけないこと

周囲の人Aさん
それは気のせいだよ。大丈夫大丈夫。
周囲の人Bさん
え?そんなことないよ。
周囲の人Cさん
何でこの音が聴き取り難いの?

こんなことは絶対に言わないように。

少しでも理解を示してあげないとなりません。症状で悩んでいるかたの不安を和らげることが出来ると思うからです。

あなたの周りで「耳が・・・」という人や、相手の声を聞き取りにくい人がいたら、お話を聴いて-訊いて、心配してあげてください。

▼聴覚情報処理障害についての本『きこえているのにわからない APD[聴覚情報処理障害]の理解と支援』

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