話し方に関する本は、これまでに何十冊も出ています。にもかかわらず何故言った言わないのコミュニケーションが改善されないのでしょう?
それはたぶん本を読んだ時にはその気になっていても、本に書かかれてあることを直ぐに忘れてしまうからだと判断します。YouTube動画でも毎日観ながらやることは何人の人が出来ているのでしょう?三日坊主で忘れてしまう場合もあります。また情報が多すぎて何から手を付けて良いのか、頭の中で処理できないことも関係してきます。
先日、そんな方たちの9割が同じ傾向にあることを発見しました。今回、その傾向と対策をまとめてみました。話し声、話し方にお悩みがある人は是非最後まで読んでください。
声と話し方は両輪をバランスよく
今回の内容をひと言で言い表すとこのようになります。
ビッグボス、新庄剛志 です!
あ、ふざけているわけではなく、彼の話す声と雰囲気を感じ取ってください。そこには聞き手を惹きつける魅力があるのです。
つまり新庄さんの中で、声と話し方の両輪がバランスを保ちながら振舞えているということなのです。
ボイストレーナーが言うのだから間違いありません。
そもそも話し方の定義って何?
よく「話し方、伝え方が大切だ!」と言われていますが、そもそも話し方とは何でしょう?以前の記事で、「声で伝える四天王」、理想の声を見つけて真似をする「シャドウイング」のトレーニングを紹介した時に、次の4人の人を挙げました。
- 高田明さん
- 池上彰さん
- 林修先生
- 小泉進次郎さん(父親、純一郎さんも含む)
ビッグボス・新庄さんもこの中に入る!
僕はそう確信しました。独自の言葉のリズムがあって引き込まれるのですよ。
▼「声で伝える四天王」プレゼン前3分でできる
▼ 「声で伝える四天王」5つのタイプで分かるスピーチ上手な声
話し方の良し悪しは、聞き手の好き嫌いによるところが大きいと判断します。
ですが僕は上に挙げた方たちは、男性の中でもパラ言語情報を上手く操って伝えている。言葉のリズムがその人の個性となっている。音声の分野で言うとプロソディ(韻律)を上手く使いながら話していると感じています。つまり、話し方とはパラ言語情報、プロソディ(韻律)のことも含まれるのです。
話し方についてはいろんな立場の人がいろんなことを伝えていますが、僕は生徒さんに対して「3つあるよ」と伝えています。
アウトプットのためのインプット
その1はアウトプットのためのインプットです。主に頭の中で準備が必要なことです。話の整理をしたり、起承転結で文を書いたりします。どんな整理の仕方が良いのか?
「一件二結三具体性」と言われている展開の仕方、論理的に話したり伝えたりするためのPRIP法、アンビシャス・ターゲット・ツリー構造での論理の整理、大リーグの大谷翔平君がやっている9マスシート(マンダラ・シート)などです。
アウトプットそのもの
その2はアウトプットそのものです。これには主に身体、声の訓練が必要となります。はい。ボイストレーニングそのものですね。
土台となってくる必要なこと→身体作りから息の送り出しの段階→
息の送り出しから声が響くまでの段階→声を加工して音のことばに変わる段階
これらのステップを踏んで良い声を獲得して/習得して/身につけて/手に入れて/思い出していきます。(どの言い方が一番しっくりきましたか?)
アウトプットは出せればよいというものではありません。いつでも出せるようにしておかないとならないのです。さらに状況や場面に応じた適材適所に出せる力があってこそのアウトプットなのですよ。
フィードバック
そして気づきです。日本人はここが一番疎かになっていると言っても過言ではありません。何故なら、自分自身の声を聴いて判断することを極端に嫌うからです。何でも日本人の8割が自分の声が嫌いという事実があるそうです。なのでフィードバックをしたくない。
そんな方には「自分の声を観てみましょう」とお勧めしています。
フィードバックをするにあたって考えることは「協調の原理」。これを知っているといろんな気づきが得られます。
▼協調の原理について
話し方がしっかりしていれば悪い声でも引き上げられて良くなる
今回のまとめです。
パラ言語情報を上手く操ることが出来れば、声そのものが嫌いでも引き上げられていきます。
パラ言語とは周辺言語ともいい、声の音色、テンポ(スピード)、間、沈黙、大小などのノンバーバルコミュニケーションです。
それらをまとめて簡単に言うと、言葉のリズムが土台にあります。人によっては「波長」という人もいますが同じことです。「言葉のリズム、波長」はそれを体の中に落とし込んでいつでも出せる引出を作っておくことが重要なのです。
▼声そのものは悪声、しかし聴衆をひきつけてやまなかった政治家