歌うための発声と話すための発声は同じか?

キーボードと指(歌う発声と話す発声) ボイトレジム

皆さんからよくある質問の中にこんなものがあります。

歌う発声と話す発声は同じなんだろうか?

歌っている声と話してる声って違うんじゃないかしら・・・

歌う前は絶対に人と話さない、そもそも発声が違ってしまうので。

 

と言って、歌う前には絶対に人と話さない歌手、ボーカリストがいます。

一方「Sing like talking」と言われているように、「話すように歌う」と主張している人もいます。どちらが正しいのでしょうか?

声の要素から歌う行為、話す・読む行為を眺めてみると

歌う発声と、話す・読む発声の違いを考える場合、声の要素から眺めてみると面白いことがわかってきます。

「良い声」を知るために必要なこと
声は思い切り出し続けると、喉が痛くなってしまいますよね。 良く例えとして出されるのが、声帯は笛のようなものであるということ。 リコーダーを思いっきり吹いたところで、決して良い音は出ませんよね。 声帯はデリケートな部分です。ギターで例えていうところの弦みたいなものです。 まず、リラックスした状態から声...

今回の内容をひと言ふた言で言い表しますと、次のようになります。

  1. 声の響きの素を作るまでは、歌う発声も話す・読む発声も同じ部分がある
  2. 違う部分と同じ部分を比較しながら考える
  3. あなたの思い込み(ビリーフ)が入っていないかどうかをチェック

これら3つに気を付けましょう。

つまり、歌う発声も話す発声もどちらの場合にも、

声の要素から、あなたの声の基準の声を見つけてください。
あなたの基準となる声を探しておくことです。

電話での声を魅力的に変える6つのこと
電話で話していて、相手の声が聞こえない。 または、聴き取り難いといった経験のある人は多いと思います。 何故聴き取り難いのでしょうか?聞こえないのでしょうか? とても声のとおる人でも、電話となると、しり込みする人も多くなりました。 電話ではなく、メールやLINEで済まそうとかね。 コミュニケーションを...

声の要素との関連付け

ここで、声の4つの要素となる高低 強弱 伸ばし方と切り方、音色などを今一度チェックしましょう。

まず、この基準の声を知っておくことが大切ですね。下の表で声の4要素と歌う発声、話す・読む発声の比較対照出来る箇所をチェックしましょう。

声の4要素 歌う発声➡歌声 話す・読む発声➡発語発話
高い⇔低い 歌の方が音域が広い

言葉の意味の高低と音楽的な工程とでは同じ場合と違う場合がある

音域をイントネーションで表すが、
歌のソレより狭いし、低め
日本語は音の高低で意味を分けたりまとめたりする
大きい⇔小さい 音楽的な強調(ffpp
リズムの強拍などと関係する
プロミネンスとして強調される
逆に弱められる場合も
声の持続力
伸ばす⇔短い
音符の長さによって決まる
フレーズ語尾は伸ばす場合と斬る場合が曲によって、ボーカリストによって処理が異なる言葉の意味で決まる場合と音楽的に決まる場合とで分かれる。
▼日本語
ゆすり音調
フォーカスを当てて話す場合▼英語
強調するところは強められることが多い
短く言う部分は早めになる
音色
(明るい-暗い)
さらっとした-粘っこい
ジャンル(クラシック、ポップス、ロック、ソウルミュージック、ジャズ)によるところが大きい

個人個人に依存するところが大きい

やっている分野(アニメの吹き替え、ニュース、ナレーション等)によるところが大きい

個人個人に依存するところが大きい

こうしてみると、身体の使い方→腹式呼吸→声の素になるプロセスまではどちらも同じだと言えるでしょう。ここにリズムが加わるとしたらどうなるでしょう?歌のリズムは音楽のジャンルによってもいくつものパターンがありますし、話す・読むの場合、日本語と英語によって言語発話のリズムは違います。

さらに、あくまでも歌うための発声なのだから、

  • 発声➡歌 という考え方なのか?
  • 発声≠歌 と全く別物で考えている人もいるようです。

結局は、受け手の考えていることに送り手の価値観が近ければ、受け手はその考えに理解、納得、賛成するのではないでしょうか?

また、話す専門のボイトレという場合、最初に歌の発声法との違いだけではなく、同じ部分にも目を向けることが大切なのです。

なぜなら、楽器としての身体を使って発声するのは、・・・同じ人ですよね。そして、呼吸も当然同じ人が行なっています。声帯を通じて喉頭原音をつくるまでもしくみは同じです。

それらを把握してからの違いを観ていくことが大切かなあ。そう感じています。

これらが、ボイトレの8つのアプローチにもとてもとても関係することなのです。

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