小学校での友人の呼び方について、ボイストレーナーの意見

友達の呼び方納得!伝えることばの心得帳

先日、民放の朝番組でビックリするような内容を放送していました。それは、小学校で友達を「~さんづけ」で呼ぶことです。

どういうこと?友達の名前を呼ぶときにさんづけで呼ぶの?文科省?教育委員会がこれを推しているの?

同時にいろんな疑問が膨らみます。

さんづけ呼称について

日本の大手企業では、役職での呼び方をやめて、

○○さん

「さんづけ呼称」を取り入れよう。そんな会社が増えてきているといわれていたのが2017年頃からでした。

まだコロナ禍以前の頃ですが、役職者を「さん付け」する会社は崩壊しやすいという話もあるようです。

役職者を「さん付け」する会社が崩壊するワケ

結論から言えば、それぞれの役職にある人たちが、それぞれの「役職の重さ」を感じなくなるからです。◆引用◆東洋経済ONLINE

何故さんづけ?

一方、小学校でも「さん付け」指導が広がっているようなのです。

その理由は、まずいじめや攻撃行動を抑えること。次に性別、トランスジェンダーを考えてのことだから。これらはちょっと考えてみるとすぐに解ることですね。

さらに、外国籍の児童や生徒さんに対してどのように呼ぶのか?そう考えると一見(一聴?)、「さんづけ呼称」は良いことかもしれません。

ところが、「~さんづけ」の理由でこんなものが入っていました。

「あだ名」「呼び捨て」は禁止。

だからだそうです!僕はびっくりしてしまいました。

「あだ名」「呼び捨て」は禁止、小学校で「さん付け」指導が広がる

あだ名(ニック・ネーム)が禁止にされることに対しての賛成意見と反対意見の円グラフはこちらです。

敬意を払うためにすることとは

この件、TVコメンテーターの方々は反対意見で溢れ返っていました。概ね、僕の予想通りでした。

確かに小学生から相手に対して敬意を払うことを伝える。これは大切な教育でしょう。しかしその前に敬語(敬意・待遇表現)の使い方はどうなのでしょう?

多分、大人でもしっかり使えている人は少ないのではないでしょうか?いわゆる運用の問題です。

大人になって、中間管理職になっても言葉の使い方を直してくれる人は周りにいない。

このように生徒さんからの重みのある一言も添えておきます。

形式と意味と運用のバランスを考える

使えるボイストレーニングベン図

先ほどの敬語の例ですと、形(尊敬語・謙譲語ⅠとⅡ・丁寧語・美化語)と意味は結びついていても、形と運用が結びついていない。だから使えない。このような状態になると「さんづけ」だけで敬意が払えるとは、到底思えません。

大切なのは、まず、形と意味と使い方(運用)のバランスをとること。言い換えると使える(運用出来る)ために取りいれていくこと。次に、場面によって使い分けられる能力を養うこと。

この2つではないかと考えるのです。

「あだ名」や「呼び捨て」で心の距離が縮まる場合

反対に「あだ名」や「呼び捨て」を頻繁に使うことで心の距離が縮まる場合もありますよね。僕は生徒さんにある程度親しくなったら、

◎◎(あだ名)で呼んでいい?

と訊きます。相手がOKならそれでよい。そう判断して使っています。

スピーチスタイルスピーチレベルのシフトではありませんが、同じ話し手で場面や気持ちに応じて使い分けることを教えた方がよいのです。

【スピーチスタイル】
社会言語学の分野で、ある言語共同体で観察される話し言葉の使い分け。

【スピーチレベルシフト】
話し言葉で同一の話者が丁寧体から普通体へ交替(あるいはその逆)する現象。話題の転換や心理的距離の変化や人間関係を調整する方策として用いられる。

◆引用◆泉 均 著/「図表でスッキリわかる」日本語教育能力検定試験 合格キーワード1400/晶文社

ドゥーツェン(duzen)

ここでドイツ文化の話をしましょう。ドイツでは、上司と部下の間でもお互いが友人同士のような言い方が語彙や文法として存在します。これをドイツ語で「ドゥーツェン(duzen)」といいます。

つまり、目上の人でも親しい間柄で使う「君=du」の言い方でコミュニケーションを取っているのです。「あだ名」や「呼び捨て」は禁止!と仰っていた日本のお偉い様方は、duzenどのように考えるのでしょうか?

目上の人でも「du(君は=親しい間柄に使う)で呼んでいいよ」と言ってもらったら、敬語は使わずにフランクに話していいのです。
会社による差や知り合ってからの期間によって状況は多少異なるにしても、上司に敬語を使わなくてもいいという慣習があり、それが会議などでもフランクに意見を述べる機会を増やしているのです。

◆引用◆キューリング恵美子 著/ドイツ人はなぜ「自己肯定感」が高いのか/小学館新書414

僕は

男性トレーナー
トレーナー

学校でのいじめや相手の攻撃的な態度は、自己肯定感が低いからなのでは?

やはり、場面や気持ちに応じて使い分けた方がよいと思うのです。

まとめ 高コンテクスト文化だから仕方のないこと?

今回は、歌う分野音楽とは直接関係ありませんでした。しかし、コミュニケーションや話し声、話し言葉の観点から眺めていくと、とても興味のある内容。そのため取り上げました。

コンテクストの高い日本語の特徴が丸出しの件だと言わざるを得ませんね。ドイツ語はコンテクストが低いですからね。苦笑

context

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ちなみに、小学生の生徒さん(女の子)に訊いてみました。

男性トレーナー
トレーナー

○○ちゃん(生徒さんの名前)の学校では、お友達のことを「~さん」づけして呼ぶの?

ううん。呼ばないよ~。

皆さんはこの件、どのように考えますか?



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