大きな声と通る声

mouth_voiceボイトレジム

皆さんは、大きな声が良い声だと思っていませんか?

特に

  • 声が通らない → だから大きな声が良いと感じる
  • 話すたびに「え?!」と聞き返されてしまう

こんな経験のあるあなたにとっては、大きな声は良い声だと考えていることでしょう。

ところが、こんな例もあるんです。

  • 大きな声は嫌い。ただ煩いだけ!

人によって声の好みは異なるわけです。でも、どうしてこんなことが起きるのでしょうか?

今回は、ボイストレーニングでよく挙げられていることを改めて取り上げて見ていくことにします。

大きな声ではなく通る声で♪

「大きな声通る声」の場合もありますし、

「大きな声通る声」の場合もあります。

今回、きっかけになりそうなワードは「通る声」です。

ここで、英語でいうところのちょっとしたニュアンスの違いを載せておきます。

【通る声】

✔ carrying voice:よく通る声
✔ well-projected voice:よく通る声
✔ a piercing voice:a piercingで「ピアス」。この場合、通る声は通る声でも「甲高い声をしている」という意味

これを切り口として、「通る声」とは何かを一緒に考えていきましょう。

通る声と響く声と共鳴

同じ通る声でも、甲高い声は聴く人によって心地よいと取られたり、逆に耳障りと取られたりもします。もちろん、人が聞き取れる範囲のどの帯域が心地よいのかは、決まっている場合と人によって違う場合がありますからね。

僕は、通る声は、響く声、共鳴する声だと考えています。ここまではほとんどのトレーナーの方は頷いて頂けるのではないでしょうか?

さあ、ここからです。

これから、いくつかの質問をしますので答えてくださいね。通る声、響く声は必ずしも大きな声なんでしょうか?

質問1
ライオンの鳴き声は?
質問2
猫の鳴き声は?
質問3
九官鳥が人の言葉を真似したら?
質問4
スズメの鳴き声は?
質問5
山の頂上で叫ぶ「ヤッホー」は?

さぁ、いかがでしょう?

音を分類することから始めよう

答えを明らかにする前に、まず音の分類の復習からしましょう。

▼発声に役立つ音の知識

発声に役立つ音声の知識
ワンバイブスでは、ボイストレーニングを軸に音楽の分野(歌う分野、制作・製作の分野)、そして発話(話す・読む)の分野に分けてコース設定をしています。 音楽(歌う) ボイストレーニングコース 阿佐ヶ谷教室 発話(話す・読む) 伝える声力アップコース 阿佐ヶ谷教室 ...
1.音声と非音声で分けてみると

そうです。音を音声と非音声に分けて考えてみるのです。

質問1:動物の鳴き声は非音声です。だからライオンの鳴き声は非音声。

質問2:猫の鳴き声も動物なので非音声です。

質問3:九官鳥が人の言葉をまねるののも、非音声です。

質問4:スズメの鳴き声。これも非音声です。

質問5:叫ぶ声は音声です。

2.次に大きな声とそうでない声とに分けてみよう

一般的にライオンの鳴き声は大きな音なので、大きな声の分類です。

猫、九官鳥、スズメは当然ライオンと比べると大きな声ではありません。

3.さらに通る声を基準にすると

通る」ということを音の強弱で考えなければ、ライオン、猫、九官鳥、スズメは通る声なのではないでしょうか?

ただし、叫ぶ声は、通ったり通らなかったりします。また、「叫ぶ」という言葉の意味合いからすると、単に大声を発するということではなく、そこに響く要素があるかどうか?このことが関係してきます。

音声に絞って考えてゆくと

さらに、音声に絞って考えていきましょう。

【音声とは】

言語コミュニケーションを行なうために、人が自分の体の一部分を使って出す音(オト)。
―柴田 武―『国語学大辞典』1955年 東京堂出版

人間が有意的に音声器官(喉、口、鼻など)を使って発する音。
―金田一春彦―『日本語音韻の研究』1967年 東京堂出版

ボイストレーンイングの基本項目に声量があるかどうかをみていきましょう。

▼ボイストレーニングの基本項目

ボイストレーニングの基本項目-総括
ボイストレーニングで「やること」8つのアプローチ♪ ボイストレーニングは、腹式呼吸と発声だけやればよいのでしょうか。スクールや教室によって明確にしている所とそうでない所があります。また、独自のメソッドややり方を打ち出している所もあります。 マトリクスを描いてシンプルにしていくと、ボイストレー...

さて、ありましたか?また、声量は、8つのアプローチの中のどこに当てはまるのでしょうか?

▼ボイストレーニング動画2

ボイストレーニング公開動画2
今回は、第2回目の動画配信です。 ボイストレーニングのやり方-あなたのステキな勘違い 【第2回目】知っておきたいボイストレーニング8つのアプローチ です。 ボイストレーニングのやり方- あなたのステキな勘違い♪ 前回も載せましたが回数分のタイトルです。 回数 タ...

通る声は届けられた声

大声を張り上げたからといって、相手に声が届くわけではなく、腹式呼吸ができていなければ喉を傷めてしまいます。

通る声相手に届けられた声 です。

そのために必要なことは

響きです。

響きというから大きな声、声量と結びつけたくなります。

響きという意味合いを含んだ用語に共鳴があります。共鳴のある声からは倍音成分がたくさん出ています。

ただし響き共鳴というと、

素敵な?勘違いをしている方
声を大きくしなければならない!声量をつけなければならない!

と思いがちです。もちろん声量も大事です。しかし、その前に忘れてはいけないことがあるんです。

声量だけで、声が通るかどうかは決められない!

ということです。

声量があっても周りの雑音(ノイズ)かき消されてしまっては、相手に声が届きません。

また、小さな声でも、周りの雑音や騒音にかき消されない声もありますよね。こういった声は言葉の感覚から、響き、共鳴という用語を使うよりも通る、届けられるを使った方が、しっくりくるかもしれませんね。

音響音声学の世界では、マスキング効果というんですが、難しいことは置いておいて、かき消されやすい声(マスクされやすい)声の成分と、かき消されにくい(マスクされ難い)声の成分があることを頭の片隅に入れておいてください。

大丈夫!ボイストレーニングで改善できますから。

▼マスキングについての記事はこちら

発声と耳の感度のおハナシ
声を磨くことで、よい影響を与えるといったことは、実際にボイストレーニングを続けていれば、歌うことや発語発話することに関わらず体験できることですよね。 これは皆さん頷けると思います。 さて、 耳を鍛えても良い影響を与えるんです! と言ったらどうでしょう? 今回も聴覚、耳の...

まとめ●響く声、共鳴する声、通る声、届けられた声

これまでの内容を次のような表にしてみました。腹式発声と支えが土台となっています

小さめの声←→大きめの声
響き 共鳴
声量
通る声  相手に届けられた声ただのでかい声
かき消されにくい声かき消されやすい声

支えとは、良い声を出すためのお腹周りの筋肉運動、力のバランスのことです。別の言い方では、発声の時、肺にある空気がすぐに抜けないようにするためのコントロール(制御)する力のバランス感覚です。横隔膜の使い方によって、出している声を効率よく安定して出せるようにします。

タイトルとURLをコピーしました