前回は、『もっと「自分の声」が好きになるトレーニング』として、ボイストレーニングと並行してメンタルトレーニング(以下、メントレ)が必要なのではないか?といったことを書きました。
今回はメントレの定義と目的を記して、どのようにボイトレと関係してゆけば効果があるのか?その概要をお伝えしたいと考えています。
それでは始めましょう。
▼もっと「自分の声」が好きになるトレーニング
メンタルトレーニングとは
まず、メントレとは何か?ということについて説明しましょう。
メントレとは、もともとアスリート(スポーツや、他の身体運動に習熟している人たち)をはじめとする活動に携わる人たちが行なっている心理的スキルのトレーニングです。しかしながら現在では、むしろいろいろな対象者に対して行われるメンタルのトレーニンング、自分の心と向き合うトレーニングの意味範囲となっています。
【メンタルトレーニング(メントレ)】
競技力の向上や表現力の向上、さらに実力やパフォーマンス全体を発揮させるために、必要な心理的スキルの習得。
なお、心理的スキルには感情をコントロールするそれと、一方では、認知に気づき調整してゆくそれとに分けられる。
- 感じる心=感情
- 考える心=認知(知覚、思考、記憶等の情報処理活動の総称)
メンタルトレーニングの目的
それではここでメントレの目的についてお伝えしましょう。
まず、どうすれば良いのか?といった分からない状況をなくし、
つづいて、こうすれば大丈夫(だろう)という対処法や解決策を知り、
それによって、いつでもどこでも使える
そのために行うのがメントレなのです。やはり自分を知ってどうするのか?これが大事。さらに他人が持っていない方法や答えを自分が創造してゆく。
他人が持っていない答えを自分がつくっていく、これこそメンタルトレーニングの醍醐味だと思います。
これ、ワンバイブスのコンセプトとかなり近い考え方です。
メンタルトレーニング5つのステップ
さて、スポーツ心理学を背景とした方法では次の4つのステップがスタンダードであるといわれています。
- イメージング
- 緊張のコントロール緊張=心理的エネルギー
- ストレスマネジメント
- 集中力
これら4つのことを踏まえて、後日詳しい説明をいたしましょう。
ボイストレーニングとメンタルトレーニング
ところで、メントレはボイトレ(ボイストレーニング)にどのような良い影響を及ぼしてくれるのでしょうか?
- モニター(メタ認知)能力を養うことが出来る
- パフォーマンスの発揮に役立つ
- 練習して上手くいかなかったときのリスク管理になる
- 本番(人前で歌う、ライブ、発表等)で上手くいったときに自己効力感が養える
- 本番で上手くいかなかったときに、心の支えとなる
さらに、その他に考えられることは?
ボイトレとメントレ、いずれにしてもより良い効果がありそうですし、さらに成果も期待できそうです。
(つづく)
【参考文献】
田中ウルヴェ 京 著
NHKこころをよむ『心の整えかた ~トップアスリートならこうする~』NHK出版 2020年