歌う時、喉にかかる負担の外し方とは

pform_mic_illボイトレジム

歌っていると、どうしても声が気持ちよく出せず、喉に引っかかる場合ってありますよね。

高い声を出すときに首周りが緊張して上手く出なかったり、体の余分な所に力が入っていると響かせにくくなります。

裏声やファルセットで歌う事が出来ればいいんですが、換声点(ブリッジ、ブレイクポイントとも)やフェリンジャル(ミックスボイス、ボイスミックスとも)付近の音の範囲だったら?

喉がどう反応してよいのか分からなくなって、急に息漏れする声になる。いわゆる声がひっくり返ってしまいますよね。

 

今回は、発声の時、喉にかかる負担の外し方をお伝えします。

といっても、これだけでも内容が莫大なので、特に

歌と発声を結びつける

というテーマでフォーカスを絞って進めます。

コラムの後半では、どのスクールでもやっているアノ練習(笑)の取り組み方もお話ししましょう。

歌と発声を結びつけましょう♪

これ、結びついてない人がいるかもしれませんね。

こういう人は、発声練習をしていれば、自然に歌が上手くなると勘違いしている場合も多くあります。

一度次のことをチェックしてみましょうか。

✔発声するときには良い声が出るけど、歌っているときにはイマイチ

✔逆に発声練習では無機質な声なのに、歌うと声の表情がでている。

対処の方法は、タイプによって変わります。これをお話すると数回のレッスン分になってしまいますので、別の機会に譲ります。

どちらのタイプにも共通する部分を取り上げて説明しましょう。

発声を歌で活かそう

これは発声で得たイメージや身体感覚を歌で活かしていこう!という意味です。

発声や歌う時にどうしても喉に負担がかかってしまう場合、次のことが原因となっています。

 

喉に負担となる6つのこと

  1. 身体の関節機能が硬いか柔らかいか(背中、股関節など)
  2. 肩凝り、首凝り
  3. 睡眠不足
  4. 体調不良(肉体的、精神的)
  5. 立ち方、座り方などの姿勢、フォーム
  6. 呼吸そのものがブレーキとなる

この6つは発声の時も歌の時も意識しておいてほしいんです。

発声の時の身体の使い方と、歌う時の身体の使い方が同じ、または延長ではなく、全く違うものをして記憶されてしまうと、発声と歌の結びつきが分からなくなってしまいます。

喉、特に喉頭の働き

さて、喉、特に喉頭のコントロールには2つのやり方があります。


Q. どちらが理想的な方法でしょうか?

  • 意識的に身体の筋肉を使って声帯の反応を引き出す
  • 喉頭の動きに任せて自由に反応できるようにする

★コントロール(制御)はマックス、負担は最小!

これが一番喉に負担がかからないということは、あなたの身体が求めているはずですよね(笑)。

意識的にやってという意味は、腹式のこと、支えのこと、感覚的な言葉を意識すること(喉を開く)などを意識的にやっているということです。

喉を無理に反応させて歌おうとすると、ピッチが狂いやすくなります。で、モニターとして自分の声を聴こうとすることに気をとられ過ぎていると、歌は精彩を欠き、感情をこめて歌うことが出来ません。

表情筋、唇、舌、首の筋肉、喉、横隔膜、肋骨筋は繋がっているんですよ。どれかひとつが動けば必ず他の筋肉が反応するはずです。

そのつながりを発声練習で体感して、歌う時に自然に活かすことが出来れば良いわけです。

支えを意識した方が良い場合、骨盤底の筋肉を意識した方が良い場合、口頭を意識した方が良い場合など、意識のフォーカスを分散させた方が結果的に表情ある声で歌えることもあります。

なので答えは


A. 喉頭の動きに任せて自由に反応できるようにする


発声に発音の練習を組み込んでみよう

ボイトレで行っている発声練習をどう歌に活かしてゆけるか?また、歌をもっと良くするために発声練習をどうするか?

答えは次のとおりです。

発音と絡めてトレーニングすることです。

発音は声帯の振動がある有声音と声帯の振動のない無声音があります。子音のアタックに気をつけることで音のタイミングを掴むこともできますしね。

喉頭は、声の要素に基づいてピッチ、声量、呼気圧を判断しますので、有声音や無声音があった方が良いのです。つまり、子音と母音を合わせた発音練習が必要でしょう。

発声練習=母音「ア~♪」の練習だけ 

とステレオタイプで考えず、言葉として音声を響かせるという意識でやってみましょう。

ボイトレの発音練習は、良い発声を助ける事を以下の記事でも書きました。

口を開けて発声しましょう
ボイストレーニングで、特に発声と発音を絡めたメニューは、唇、舌を使って行うことが多いです。 舌、特に舌根を柔らかくすることは、滑舌が良くなるだけでなく、良い発声を助ける上で大切なことです。 別な言い方をすれば、唇、舌を柔らかくして発音する努力をすれば、発声はそれを応援しようと連動してくれ...

 

▼子音のアタックについてはこちら

話す・読むボイトレ-方法はプロソディの練習から
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ウォーミングアップを発声に活かそう

発声を歌で活かす事より前段階で、ウォーミングアップを発声に活かせていない人もいます。

ウォーミングアップでは、胸式呼吸や腹式呼吸の身体の使い方が体感できても、いざ発声練習の段階になると、途端に胸式呼吸になったり、余分な力がとれなかったりするんです。

吐く時には腹式呼吸、吸う時には胸式呼吸。そのループで繰り返すと、だんだん喉に負担がかかってくるのは残念な限りです。

ウォーミングアップを発声で活かすようにするためにはどうすればよいでしょうか?

それには、どのスクールでもやっている練習を見直すことで、発声に活かせるヒントを知ることが出来ます。

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リップロールの時の口の形の例

リップロールとタングトリル

トレーナーによっては、リップロールのことをリップトリル(以下、ここではリップ)、タングトリルのことをタングロール(以下、ここではタング)と呼ぶ方もいらっしゃいます。

まあ、ブルルルル[bullllllll]かトゥルルルル[tuɾɾɾɾɾɾɾɾ]なんですが、しっかりと両方できる生徒さんは40%いないように感じます。言い換えると、両方できる生徒さんはウォーミングアップを発声に活かせている、と捉えても良いでしょう。

リップの方がタングよりも出来ている生徒さんが多いようです。

声を出しやすくするウォーミングアップと言ってしまうと簡単すぎで深みを感じられませんw

このメニュー、ウォーミングアップにもクールダウンにも喉のメンテ、ケアにも使える万能メニューなんです!

母音の数と発する順番
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リップをスムーズに行うためには?

今回はリップの方を解説していきましょう。

まず注意です。

回そうとしないこと!

逆説的かもしれませんが、回そうとすると息の流れは不安定になります。回そうとすればするほど余分な力が入り、思うように回ってくれません。

この練習の目的は回すことではないのです。それはタングも同じ。

【リップやタングの目的】

✅ 唇と表情筋(特に口輪筋)、舌を柔らかくする。
✅ 喉のウォーミングアップとクールダウン 場合によってはケア
(喉の筋肉の柔軟性と張力をつける/声帯の振動を自然に起こさせる)
✅ 音の高さに合った適切な息の量が吐ける

言い方を変えると、上のチェック項目がすべてできていれば、自然に回ります。

  1. 唇を軽く合わせ息を送り出す
  2. 唇の内側を表に見せるようにして声を出す
  3. 「ウ」の母音に近い口の形で行う
  4. 下の歯を上の歯と同じ位置に持ってきて軽くかみ合わせをして回す(少し下顎が出ますのでそのままの状態で唇を回します)
  5. 上手く回らないときには、唇の横か頬を指先で軽く持ち上げる
  6. 手の甲を軽く当てて持ち上げる
  7. 鼻先に息の流れを当てる感じで息を送り出しながら声を出す

1から7全部試しても回らないものは回りません。何故なら、その人の骨格や唇の厚さ薄さ、大きさに応じたやり方があるからです。

ここで、失敗しやすい(回らない)傾向のある人の特徴と対策を挙げておきます。

①息の吐き始めに圧力がほっぺたにいってしまう
◆プップップゥ~ってトラックのバックではありません。息の流れを前にもっていきましょう。

②平口、非円唇の口構えでやろうとする
◆「イ」や「エ」の口の形で回そうとしても回りにくいだけです。

③息の流れが速いので、はじめは回るが長く続かないためロングトーンにはならない
◆速さと量は違います。回そうとする速くなります。息の流れはゆったりゆっくり。

④低音~中音域は回るが、だんだんと高音域になると回らなくなる
◆音の高さにあった適切な息の量です。音は縦波です。高周波は細かい縦波になりますよね。唇の回り方も同じで細かく回るのが高音です。高音域では息の量が必要になってきます。

⑤途中で回らなかったり回ったりする
◆息の流れが不安定です。理論上、一定量流すんですが、生徒さんによってはクレッシェンドをイメージしながらやった方が、よく回る場合もあります。

⑥気持ちと身体がチグハグ
◆頑張る生徒さんと担当トレーナーの会話

生徒さん
回そうという気持ちはありません。ほんとに真っ白でっやってるんですが、何で回らないんでしょうか!?

担当トレーナー
それじゃぁ回らないよ。体に余分な力が入り過ぎてるから。膝は固めないで。胸を開いて。腹直筋を動かそうとはしないで。姿勢(フォーム)を確認しよう。

どういった体感が良いのか?

口周りがくすぐったくなる。モゾモゾする。人によっては喉がかゆくなるという言い方をする生徒さんもいます。こうなってくると理想です。

逆にせき込む、音が上がれば上がるほど喉が痛くなる。これは正しくありません。男性の生徒さんに多いようです。

裏声ベースで抜いた感じで行なう方がバランスが整うワケです。

先ほども書きました。

★コントロール(制御)はマックス、喉にかかる負担は最小!

覚えておきましょう。

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